コラム−11月2日
汚染水を飲むな
大臣が問題になった食品を食べて安全性をアピールする。古くは1954年8月草葉隆円厚生大臣がカビで黄色くなった輸入の黄変米をカレーライスにして食べてみせた。1996年8月O157騒動のとき菅直人厚生大臣がカイワレ大根のサラダを食べてみせた▼
大臣ではないが、内閣府の園田政務官が浄化した原発汚染水を、記者会見の席で飲んでみせた。飲んだのは福島第一原発5、6号機の原子炉建屋の中に津波で溜まった水。これを浄化脱塩処理したものを、コップ半分ほど一気に飲んだ▼
東電主催の記者会見で、一部のフリーフイターが「環境に影響ないというなら、飲んでみてはどうか」「菅さんがカイワレ大根を食べた前例がある。東電が大丈夫と言ってんだから、飲んでみませんか」と再三質問した▼
園田政務官は私が飲んだからといって安全性が証明できるわけではなく、意義はない。要望があったから飲んだ」と。「飲んでみたら」と仕掛けたフリーライターと、応じた政務官、どっちもどっちの愚行だ。(11月2日)