コラム−11月23日

千人減らすだと

いわき市久之浜町の6号国道は朝6時すぎから広野町のJヴィレッジヘ向かう車で混雑する。Jヴィレッジは東電がサッカーのトレーニングセンターとして建設、福島県に寄付した施設だ。いま原発事故の収束作業の前線基地となっている▼

メインスタジアムの天然芝には砂利が敷かれ、千人を収容する東電の単身寮17棟が建っている。11面ある練習用のピッチは、作業員の通勤用駐車場や第一原発との間を往復する作業車両のスクリーニング場になっている。ヘリポートの区画には雑草が繁る▼

この前線基地と原発を行き来する作業員は平日約3千人。防護服を着用し、全面マスクと手袋を付けて送迎車に乗る。作業から帰ると防護服を脱ぎ捨て、放射線量の検査を受ける。月1回は内部被曝の検査も行う▼

東電は12月から事故収束の作業員を千人削滅する計画だ。日本共産党の田村智子議員が参議院で追及した。細野原発担当相は「初めて聞いたので確認したい。作業が滞るようなことがあってはならない」と答えた。東電は無責任だ。(11月23日)

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