コラム−11月4日
キセノン検出
福島第一原発2号機の格納容器内で放射性物質キセノンが検出された。放射性キセノンは燃料のウランが核分裂するさいにできる。さては核分裂反応が連続する臨界が起きたのではないか、と緊張が走った▼
放射性キセノンは格納容器内から採取した気体から検出された。半減期が約5日のキセノン133と約9時間のキセノン135だったことから、核分裂反応が最近起きた可能性があるとみられる。東電は当初、原子炉圧力の上昇がみられるほどの「大規模な臨界ではない」が、「局所的な臨界が起きたとみられる」との見解だった▼
3日になって、東電は臨界はなかったと否定。て検出されたキセノンは原子炉の燃料からできる放射性物質キュリウムなどが不安定なために、自然に核分裂を起こす「自然核分裂」によって発生したと結論づけた▼
東電は事故収束の「工程表」で原子炉圧力容器内の温度が100度以下になったことなどで「冷温停止状態」を年内に達成するというが、原子炉内で何が起きているのか把握できていない。(11月4日)