コラム−11月9日
復興財源の怪
東日本大震災の復興財源に、所得税増税を充てる。期間は25年。民主、自民、公明の3党協議で合意した。復興財源確保法案など予算関運法案はすべて月内に成立させるという。臨時増税のはずが4半世紀も続く。増税の恒久化ではないか▼
復興財源の償還期間を延ばしたので、年ごとの増税額は小さくなるが、8・8兆円の庶民増穏額は変わらない。一方、大企業の法人税は税率を4・5l引き下げる恒久減税を実施したうえで、3年間に限り2・5lだけ付加税を課す▼
このやり方では、庶民が25年間払い続ける増税分は、庶民が、7、8年分の大企業減税で全部消えてしまう。政府は「連帯して負担を分かち合う」といいながら、庶民に増税大企業には減税だ。この不公平は許せない復興財源は1円もつくれず、赤字になるだけだ▼
この奇怪さはどこからきたか。見えてくるのは財界の圧力だ。経団運は「税制改正に関する提言」で、復興財源でも「(法人税の)純増税を行うことは絶対に容認できない」といっている。財界は身勝手だ。(11月9日)