コラム「凡言録」より3月24日
津波の襲撃を受けて14日目 重機での瓦礫の片付けがすす み、久之浜町の通りに車が入 れるようになった
▼歩いて、 まず東町の、妻の徒兄弟の家 めざした。海岸堤防がら20 bくらい、左の門柱は残ったが 、塀の石は見当たらない。 電柱が倒れていた。家は土台 だけで、上は何もなかった。 妻の同級生の大善丸の家も 漁協組合長の清幸丸の家も、 辺りは何もない。爆撃の焼け 野が原のような亙礫の原で遮る 建物がない。遠く、町の中心部 まで見通せる
▼あちこち をハンマーで叩き壊したよう になった堤防を進んで、旧漁協の前に出ようとした。大久川にかかる橋のたもとが1b 以上も陥没し、はい上がって 道路に出た
▼築港から久ノ浜 駅に向か広い道路の西側で は、消防団などが重なる瓦礫の中を棒で探り、遺体の捜索 をしていた。近くで重機も唸 っている。「捜査終了」の貼 り紙のある家もみえた。久之 浜で何人亡くなったか、正確 には分からない。50人は超え ているか。町の中心部の電気 が復旧した。水道はまだ。電話も不通だ。