コラム「凡言録」より4月10日


東・関大震災−4−10

いわき市の桜(ソメイヨシノ)の標準木である、旧小名浜測候所の桜が数輪開いた。海岸から400bほど離れているが、津波に幹を洗われた。サクラ前線到達である


▼東日本大震災による福島県内の死者は1241人で、行方不明者は3488人。死者の名前が発表された。いわき市の死者は284人、うち久之浜の死者は39人。このほかに遺体の身元不明が5人いる(9日現在)


▼死者は海岸部の東町や南町、大久川に近い北町、町後など久之浜の町部25人、末続7人、田之網5人、金ケ沢2人。性別は男12人、女27人。年齢別は80歳代15人、70歳代9人、60歳代5人、50歳代3人、40歳代2人、30歳代2人、2歳1人、年齢不明2人。60歳以上の高齢者が29人で全体の74l、女性が27人で69l。高齢者、女性の犠牲が多かった


▼郵便局の非常勤職員として数年、一緒に深夜勤務をした人の名があった。67歳。彼の家は水が抜けて、壊れていた。大久川を逆流した津波が彼を飲み込んだのだろうか。真面目で、静かな人だった。合掌。(4月10日)


コラム−4月11日へ進む