コラム「凡言録」より4月13日


東・関大震災−4−13

東電の清水正孝社長は原発事故について謝罪に訪れたい、と福島県知事に連絡したのは事故の10日目。知事は「県民の不安と怒りと憤りを察すると、お詫びを受ける状況にない」と断った


▼事故1か月目の4月11日朝、東電福島地域支援室から突然、県に電話が入った。「今日、社長が県庁を訪れる。会っていただけないでしょうから、名刺だけ出させてほしい」と


▼震災が発生した午後2時46分、県災害対策本部は知事ら幹部が黙祷し記者会見する予定だった。東電は同じ会場で、ほぼ同時刻に「社長の記者会見を開きたい一と県に連絡。県は拒絶した。東電の無神経さに怒りの声が出た


▼場所を移して会見した清水社長は、「福島県民や立地地域の方々にご苦労とご心配をおかけしている。串し訳ない気持ちでいっぱい」とのべた。原発の安全対策については「国の基準に基づいて運転し、津波対策もこれまでの知見を踏まえて講じてきた。今回の津波は想定外、全電源の喪失も想定外だった」と。これは謝罪ではない。開き直りだ。(4月13日)


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