コラム「凡言録」より4月20日
東・関大震災−4−20
大震災が起きて、菅首相は自民党を巻き込んだ「救国内閣」を作ろうとした。3月19日に自民党の谷垣総裁に、副総理兼震災復興担当大臣として入閣を要請した。さては大連立かと騒がれたが、谷垣氏は「あまりに唐突」と断った
▼震災前、自民党は菅首相退陣か国会解散を、と攻勢をかけていたが、「震災復興には協力する」と休戦モードに。中曾根元首相は「挙国体制なら期限を切って協力すべき」。小泉元首相は「こういうときこそ健全野党が必要だ」と
▼大連立となると震災復興だけでなく、民主党のマニフェスト実現に協力させられる。菅首相の延命に手を貸すのは嫌だ。民主党が統一地方選前半戦で敗北したのを機に、首相退陣にむけて政権批判を再び強めている
▼政党が政権を目指すのは常の姿だが、自民党には原発政策を推進してきた責任を問いたい。同党の石破政調会長は「誰が悪い、彼の責任だと言っても詮なきこと」(中央公論5月号)と責任逃れだ。菅首相には任せられないというなら、事故収束の知恵を示せ。(4月20日)