コラム「凡言録」より4月24日
東・関大震災−4−24
原発が放出する放射線に日々悩まされて、思った。生物多様性の地球だから、放射能を好んで食べたり飲んだりする虫もいるのでは。南米やアフリカ辺りに潜んでいないか
▼虫ではないが、粉が見つかった。水に溶けた放射性のヨウ素やセシウム、ストロンチウムなどを効率よく捕まえて沈殿させる可能性の粉末だ。太田富久金沢大教授(天然物化学)とクマケン工業(秋田県横手市)が開発した。原発に溜まっている放射性物質で汚染された水の処理に応用が期待される
▼粉末は天然のゼオライトなど数種類の鉱物や化学物質が混ぜてある。太田教授らは放射性ではないセシウムを使って実験。汚染水に粉末を入れてかき混ぜ、セシウムをほぼ100l除去した。ヨウ素やストロンチウムでも同様の結果で、放射性でも応用は可能だという
▼フランスの核燃料会社アレバは「共沈法」という手法で第一原発の汚染水を処理する施設を5月末までに稼働させる。汚染水に特定物質を入れて放射性物質を沈殿させた後、沈殿物だけを除去する。(4月24日)