コラム「凡言録」より4月26日
東・関大震災−4−26
津波と原発事故で、福島県民は県外にも避難した。新潟7651人、埼玉3524人、群馬2948人など岩手、宮城両県を除く44都道府県の1635の避難所に29833人(4月18日現在)。このほか、個人的に避難している人も多い
▼原発事故で放射能に汚染されていると、福島県民は各地で差別を受けている。母親を介護施設に入所させようとして、放射性物質の有無を調べるスクリーニングを受けた証明がないと、断られた(神奈川県)
▼給油所に「福島県民お断り」の看板(静岡県)、「車に落書きされた」「宿泊を断られた」などが相談窓口に届いている。千葉県船橋市の教育委員会には、避難した児童が「放射線がうつる」と、いじめられた訴えがあった
▼「もういいよ。福島県人は福島県人だけで生きていくから--会津若松市に住む姉が、電話の向こうでため息とともに言った」。静岡県の主婦の投書だ(朝日「声」欄)。全国から多くの支援を受け感謝しているが、一部で放射能への無知から差別が生まれた。悲しい。(4月26日)