コラム「凡言録」より4月28日


東・関大震災−4−28

大震災から49日目。被災地の寺で、亡くなった人たちの「四十九日」の合同法要が営まれた。いわき市の死者は299人、うち久之浜は44人。遺体が見つかっても、葬祭場が混んでいて、まだ葬式をやれない家も多い


▼行方不明者の捜索は続いている。南相馬市の女性は自宅から120`離れた茨城県の70`沖合の海上に浮いていて、航行するタンカーに発見された。行方不明の従兄弟はまだ何の手掛かりもない。やはり遠くの海まで流されたのか。もう生きてはいないだろう


▼妻や家族はあちこち探し続けている。自分の家の植木鉢がそっくりしたまま流されていたのを見つけた。従兄弟はその辺りにいるのでは、と妻は念入りな捜索をお願いした。午後3時43分で止まった時計を見つけた。津波が襲った時間で止まったらしい


▼従兄弟は地震当日、出先の小川町から急いで久之浜に戻った。支所前に車を置いてから床屋、電気屋と声をかけ、それから自宅の方へ行ったらしい。近所の婆さんを負ぶっていたようだという話もある。(4月28日)


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