コラム「凡言録」より4月7日


東・関大震災−4−7

東電は原発の集中廃棄物処理施設に貯蔵されている低レベルの放射能汚染水約1万1500dを海に放出し始めた。集中処理施設を空にして、そこにタービン建屋地下などに溜まっている高レベル汚染水を移送する

▼放出の始まる2時間前の4日午後5時過ぎ、福島県漁連にファクス1枚で通知した。漁民は怒った。いわき市漁協は緊急対策会議を開いた。野崎県漁連会長は「漁業者を愚弄するもので許せない」と語る

▼行方不明の従兄弟の家が所有する底引き船・三好丸は地震のとき、久之浜の10m`沖合で漁をしていて難を逃れた。船は小名浜港に係留したまま、船長夫妻は船内に寝泊まりしている。ヒラメ、マコガレイ、アンコウ、とくにヤナギガレイの味は最高だと、叔母は自慢していたのだが

▼茶色のイヌが道端に横になっていた。皮をむいたバナナが置いてある。近づくと物憂げに頭をあげた。首輪がある飼いイヌだ。家に戻って配給の菓子パン3つ、ドーナツ3つを与えた。牛乳もペロペロ飲んだが、食べる仕種は弱々しい。(4月7日)


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