コラム「凡言録」より4月8日


東・関大震災−4−8

けさ、ウグイスの初鳴きをきき、ほっとした。例年、3月中に鳴くのに。放射線を浴びたせいか、鳥の健康まで気になる。知人女性は、原発事故のあと鳥が少ないという。群がっていたスズメが見えないし、カラスさえ姿を見ないと

▼庭のウメの開花は4月1日で、昨年、一昨年より半月遅い。ウメは根っこをまとめて避難という訳にはいかない。今年は寒かったから、これは単なる季節の遅れか

▼隣の四倉の新聞屋へ毎朝、新聞を買いに行っている。久之浜に新聞は届かず、宅配の回復はいつになるか、わからない。国道6号線が土砂崩れで通行止めが続いており、四倉へは田之網から常磐線のガードを潜って、四倉工業団地の方へ迂回する

▼田之網の分校跡に看板が立った。津波で水に浸かった畳4枚を縦に、墨書で大きく「地元人ヒバクなる」「原子力発電いらない」「国民ころすきか」「原発どこかえもってけ」。田之網は海岸のすぐ近く、潰滅的な津波被害で、先月下旬に自衛隊が入って、捜索、瓦礫の片付けをした集落だ。(4月8日)


コラム−4月9日へ進む