コラム「凡言録」より5月24日
言った言わない
福島第一原発1号機の建屋が3月12日午後3時36分に水素爆発。東電は原子炉を冷やすため午後7時4分、海水注入を始めた。それを国が海水注入の安全性を検討するとの官邸から連絡で、注入を一日正めた▼
菅首相は午後6時からの20分間に、原子力安全・保安院に海水注入の安全性の検討を指示午後7時40分、保安院から首相に、問題ないと説明。同55分、海水注入を再開した▼
注水を一時中断したことを「総理もずっと後になって知った」(細野首相補佐官。自民党は政治問題にし追及した。枝野官房長官は「東電がやっているこを止めたことは一度もない」と▼
政府・東電統合対策室が配った一時中断の事実関係の発表文には、「(斑目)原子力安全
委員長から『再臨界の危険性がある』との意見がだされた」とある。斑目氏は再臨界の危険性があるなどと言ってない」と反論。経緯を突き合わせた結果、斑目氏は再臨界
について「その可能性はゼロではない」との趣旨の発言だったという。言った言わない
の話ではない。(5月24日)