速報版 コラム 「凡言録」より3月11日
東・関大震災−1
テレビを見ていたら、「緊急地震速報」を知らせる音楽が鳴り、強い揺れと大津波くると予報した。すぐにゴーッと大きな音とともに、物凄い揺れがきた。ウワーッ、太い柱にしがみついた。棚の上の箱が落ちてきた。激しい揺れは長く続き、家が潰れると思った。
▼揺れが収まると、タンスが倒れるなど家の中はめちゃめちゃだ。外に出ると隣の屋根瓦の破片が我が家の庭に散乱し大谷石の塀は崩れた。テレビはマグニチュード8.8、観測史上最大の地震だと報じた。
▼津波警報が出た。津波は到着予想時刻より早く襲ってきた。町民は高台の中学校に続々避難してきた。わが団地近くの大久川は河口から数百メートル逆流、土手を越えた。町の大通りは雑多なゴミが山をなし、入れない。海岸部には近づけない。市の支所前には車が数台転がっていた。
▼町の中心部で火災が発生。消防は「水が出ない」と成す術がない。午後11時、2階から延焼する炎が見える。地震で壊され、津波で流され、火災で燃やされ、久之浜町は大変な事態になった。(3月11日)