コラム「凡言録」より5月7日


東電の「要望」
原発で事故が起きた場合、文 科省に設置される原子力損害 賠償紛争審査会(審査会)が 賠償の対象や範囲について決 定する。審査会は損害判定の 目安となる1次指針案を22日 に示し28日に決定したが、東 電は決定前の25日に、審査会 に「要望書」を提出していた ▼

「要望書」は今回の地震・ 津波は原子刀損害賠償法(原賠法療 )の「異常に巨大一な天災 地変」にあたり、1次指針策 定にあたっては「当社の負担 可能限度を念頭に置く」よう 配慮を求めている。つまり原 賠法に基づく国の賠償額12 00億円を超えて東電が負う 賠償についても、国の支援を 頼むというものだ ▼

奇妙なの は政府内の「試算」で賠償総 額は4兆円、うち2兆円は東 電が支払うとの想定があるこ と。賠償対象は避難者の生活 費、農林漁業、工業、商業、 観光業など広範に及ぶ。風評被害 も含めてあらゆる被害を 賠償すべきで、上限を設ける べきではない▼

審査会の能見 善久会長は「指針をつくる段 階で、東電が審査会に働きか けるのはまずい。要望に左右 されない」と。(5月7日)


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