コラム「凡言録」より10月15日
福島のコメ
原発事故で放射能に汚染された福島県の水田は一部で作付けが制限された。作付けした水田では収穫前のコメを9月に予備検査し、10月に本検査を実施した。予備検査で二本松市小浜地区の水田から放射性セシウムが暫定基準値の1`あたり500ベクレルを超えるコメがあり、全県の本調査の結果が注目された▼
本調査結果は今年作付けした48市町村の1174検体のうち、964検体で放射性セシウムが検出されず、203検体が100〜ベクレル未満、6検体が200ベクレル未満で、1173検体は県知事が安全宣言し、出荷が可能になった▼
予備検査で500ベクレルを越えていた1検体は本検査でも470ベクレルと高く、周辺の田の9e分、約400`のコメは県が買い上げて市場に流通しないようにした。県は種モミの栽培実験で放射性セシウムがイネにどの程度残留するかなどを調否する▼
コメの出荷が可能になって農民は少し安堵した。だが消費者は福島のコメを買ってくれるだろうか。多くの不安がある。今年は収穫の喜びが感じられない(10月15日)