コラム「凡言録」より10月24日
キログラム原器
旧約聖書に測定に関する警告がある。「あなたたちは、不正な物差し、秤、升を用いてはならない。正しい天秤、正しい重り、正しい升、正しい容器を用いなさい」と。物品取引のさい測定が正しく測定に使われる標準は皆が共有するのが前提となる▼
18世紀末に地球の子午線の長さの4000万分の1を1bとし、水温4度C、純水1gの重さを1`cとした。1889年のメートル条約で「国際メートル原器」の長さを1bとし、「国際キログラム原器」は白金イリジウム合金製の分銅の重さを1`cとした▼
科学の進歩に伴い、1bの長さは1960年からクリプトン原子が出す光の波長による定義となり、1983年からは「2億9979万2458分の1秒間に光が真空を進む距離」になっている▼
重さの定義は21日開かれた国際度量衡総会で「キログラム原器」を廃止し、新しい定義に切り換えることが決まった。新しい定義はケイ素の結晶に含まれる原子の数を数え、一定数を1`cとするなどが検討されている。(10月24日)