コラム「凡言録」より10月26日

 手順書の中身

東電福島第一原発の「事故時運転操作手順書」が衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会に提出された。同委員会の喜二の要求で、経産省原子力安全・保安院が1号機の手順書の一部を提出した▼

委員会が「過酷事故(シビアアクシデント)時」の「運転操作手順書」の提出を求めたのに、東電は最初「通常の事故時」の手順書をほとんど黒塗りで提出。委員会が過酷事故発生時の手順書の提出を再度要求すると、東電は知的財産権や核物質防護を口実に提出を拒否した▼

ようやく提出された過酷事故時の手順書の中身は、驚くことに、過酷事故へのまともな対策はとっていなかったことが明らかになった。過酷事故対策というなら、全電源が喪失しても炉心が冷却水の上に出ないようにするのが大原則だ。手順書はそもそも、「全電源喪失」を想定していなかった▼

共産党の吉井英勝衆院議員の指摘にたいし、深野・保安院長は「電気があることが前提だったので、活用できなかった」と不備を認めた。何が「知的財産権」か。(10月26日)

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