コラム「凡言録」より10月27日

 原発発電コスト

電源別の発電コストというのがある。発電所の建設費、燃料費、運転維持費など費用の合計を発電電力量で割ったのが発電コストだ▼

04年の総合資源エネルギー調査会の試算で、1`h時当たり原子力4・8〜6・2円石炭火力5・0〜6・5円、LNG火力5.8〜8・1円、石油火力10・0〜17・3円、一般水力8.2〜13・3円だった。原子力発電は一番安いと宣伝された▼

原子力委員会は東電福島第一原発事故による損害費用を試算した。原子力発電のコストに上乗せするが、事故で上昇する発電コストは、福島原発のような事故が起こる確率は「500年に1回」、事故による損害は1`h当たり1.1円とした▼

これだけの事故でも、たった1円の上昇とは。原発事故なんて安いものだ、と被災者をあざのざ笑っているようだ。原子力委員会の論議では福島原発事故の除染計画が決まっておらず、追加費用が見込まれると異論が出た。廃炉の経費も含まれていない。事故の起こる確率から試算するのは、土台から間違っている。(10月27日)

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