コラム「凡言録」より10月9日
恥ずかしい質問
原発事故で放射能汚染に苦しむ福島県民にたいし、心ないことが続いている。「放射能が移るから近くに来ないで」「いわきナンバーの車は除染して」「福島で作った花火は打ち上げ危いで」「福島で作られた橋脚は使わないで」などなど▼
「放射能っけちゃうぞ」と、服の柚をなすりつける仕草をして辞任した大臣がいたが、また政治家の変な発言があった。公明党の松あきら議員が参院予予算委員会の質問で、「小学校で給食の牛乳を飲まない児童が、教師に『福島県民ではない。住む資格がない』と指導された」と発言した▼
福島県民の被曝量を調べる健康調査体制確立を求め、食にたいする不安の一例として語った。発言は日弁連主催のシンポジウムで、複数の子を持つ会津若松市在住の女性弁護土の発言として紹介された▼
会津若松に女性弁護士はいないし、発言は事実無根だ。会津若松市の室井市長が松議員に抗議した。松議員は「地元の皆様にご心痛をお掛けし」と謝罪した。ろくに調査もせず、恥ずかしい松議員の質問だ。(10月9月)