コラム「凡言録」より5月12日
一時帰宅
東電福島第一原発から半径20
`圏内の警戒区域にある川内
村の住民、54世帯92人が一時
帰宅した。避難地から中継基
地の村民体育センターに集合
し防護服、靴カバー、ゴム手
袋マスクを着用、線量計と
時計を持たされた。バス5台
に分乗して自宅に向かった▼
帰宅できるのは各世帯原則1人
、自宅滞在時間は2時間。
持ち出せる荷物は縦横70aの
ビニール袋1つのみ。位牌、
通帳、印鑑。着の身着のまま
で避難したものだから、衣類
が欲しい。アルバムも血圧計
も持ってきたい…▼
白宅がから体育センターに戻ると、体と
持ち出した物のスクリーニン
グを受けた。個人の累積放射
線量は1〜10マイクロシーベ
ルトで除染が必要な人や荷物
はなかった。女性3人が体調
不良を訴えたが、すぐに回復
した▼
一時帰宅にあたって、
国は「自己の責任で立ち入る
」という同意書に署名を求め
た。住民は「国は責任を取ら
ないのか」と反発した。どん
な立派な家でも、どんなに住
みよい家でも避難で追い立て
られ、わずか2時間の帰宅。
この不条理。(5月12日)