コラム「凡言録」より5月18日
工程表改訂版
東電は原発事故の収束に向けた工程表を見直した改訂版を示した。4月に公表した最初の工程表では、「放射線量が着実に減小傾向となっていること」(ステップ1)に3ヵ月「放射線物質が管理され放射線量が大幅に抑えられえいる」(ステップ2)に、さらに3ヵ月から6ヵ月程度としていた▼
その工程がどう進んだか。成果を確かめ、工程表通りにいかなかった点を明らかにしたのかと思ったが、改訂版はそれがはっきりしない。この問ユ号機がメルトダウンしていたことが確実となり、新たに盗里の汚染水も確認された▼
2,3号機は炉の損傷程度が分からないが、汚染水は増え続けている。にもかかわず、東電の武藤副社長は「大きく変更しなければならないような状況の変化はなかった」と。4月の工程表で「格納容器冠水」としたのを後回しにし、循環注水冷却の確立」を進めると中身は変わっている▼
それでも当初示した収束時期目標「3ヵ月〜9ヵ月」は変えないと改訂版はいうが、本当に大丈夫なのか。(5月18日)