コラム「凡言録」より5月2日


山菜と放射能


「竹籔の中で左前、右前に合わせて座っているものは、なーんだ」。「タケノコ?」「当たーり」。タケノコの皮は着物の合わせ目が左前、右前と交互になっている。竹の子が育っていくと、一枚一枚皮を脱いでいく▼

タケノコの季節になると毎年、知人から沢山のタケノコを貰って食べていた。タケノコ飯、タケノコの煮物、てんぷら、フライ、タケノコ汁…。今年は全然なし。原発事故の騒ぎで、タケノコのことなど忘れていた▼

いわき市で採れたタケノコから食品衛生法の暫定基準値を超える放射性物質が検出された。基準値は1`あたり放射性セシウム500ベクレル。タケノコはセシウム134が340ベクレル、同137が310ベクレル、合計650ベクレルで、暫定基準値を上回った▼

福島市で採れた山菜のコゴミ(クサソテツ)もセシウム134が360ベクレル、同137が41Oベクレル、合計で暫定基準値を上回った。県は出荷や採取の自粛を求めている。原発事故は庶民の、山菜採りの楽しみも奪った。(5月2日)


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