コラム「凡言録」より5月3日
大震災と憲法
未曾有の大地震・津波と原発
の重大事故のなかで憲法記念
日を迎えた。死者・行方不明
者は2万5千人を超え、難
者はいまなお12万6千人を超
える。「われらは、全世界の
国民が、ひとしく恐怖と欠乏
か免れ、平和のうちに生存
する権利を有することを確認
する」憲法前文)▼人間ら
しい生活を営む権利が生存権
だ。憲法25条は「すべて国民
は、健康で文化的な最低限度
の生活を営む権利を有する」
と。基本的人権を規定した憲
法11条は国民は、すべての
基本的人権の享有を妨げられ
ない」とうたう▼基本的人権
の中身は自分の思うことを言
い、自分の好きな所に住み、
自分の好きな場所に行くこと
などを含む。この自由は決し
て奪われてはならない、と憲
法は言っている▼原発の放射
線に追われ、自分の好きな所
に住めない。避難所の生活は
劣悪だ。農漁業、商工業など
多くの人々が収入の道を絶た
れた。原発の事故は基本的人
権、生存権、幸福追求権(13
条)、勤労の権利(27条)、
財産権(29条)などを、こと
ごとく冒じた。(5月3日)