コラム「凡言録」より5月23日
米の新実験
「核のない世界をめざす」と表明した米オバマ大統領は、まず手持ちの核兵器を減らすことを進めていると思っていたが、そうではないらしい▼
米エネルギー省の核安全保障
局(NNSA)の発表による
と、保有核兵器の安全性と有
効性を維持するために、高温高圧下でプルトニウムを使用した新実験をおこなった。核爆発を伴わないが、核兵器が爆発したときと近い状態をつくりだしたという▼
同局のクック副局長は「地下核実験をしなくとも、保管中の核兵器の安全性と有効性を維持するとい、オバマ大統領の核安全保障の考えの実現を支援するもの」と説明した。冷戦下に大量に作られ、老朽化が進む核兵器の性能を確かめ、いざという場合に使用できるよ
う、核兵器の点検をしているのだ▼
新実験は核爆発を伴わない点では未臨界実験と同じで、火薬も使用しなくてよいのが特徴だ。収集されたデータは核兵器の維持・管理に利用される。おかしいぞ、オバマ大統領。核兵器の廃絶を願う世界の人びとを騙した。許せない。(5月23日)