コラム「凡言録」より5月29日
避難所と「仮設」
大震災と原発事故から2か月以上たって、11万人が避難所生活を強いられている。少なくない避難所でおにぎりやパンなどで満足な食事がとれていない。週1回程度しか風呂に入れない。間仕切りがなくプライバシーが保てないなど劣悪だ▼
宮城、岩手、福島の3県は避難所の生活を改善するため災害救助法の特別基準を設けへ食費は1人1日1010円以内を1500円以内に、避難所設置経費は1人1日300円を1000円に引き上げた▼
自然災害などで住む家を失った被災者に、国が無償で提供する仮設住宅は3県を中心に59200戸が必要とされる。政府は「お盆までには希望者全員が入れるようにする(菅首相)」というが、完成は1万3002戸、着工済みは3万2212戸(5月18日現在)だ。建設遅れの原因は用地確保が困難なこと。急いでもらいたい▼
公営住宅を避難所としている披災者にも、災害救助法による食事支給は可能だ。厚労省が認めた。公営住宅に入っても、収入がなく食費がかさむと被災者は訴える。(5月29日)