コラム「凡言録」より5月6日
ユッケ中毒
ユッケ中毒富山、福井両県で、焼肉チエーン店「焼肉酒家えびす」でユッケを食べた客が3人死亡した。神奈川県の同チエーン店でもユッケによる食中毒があり、腸管出血性大腸菌0111などで起きる溶血性尿毒症症候群(HUS)やその疑いのある重症者は24人、患者は66人という▼
ユッケは牛肉の刺し身で、焼肉店の人気ニューだ。ゴマ、ゴマ油、醤油、砂糖、下ろしニンニク、コチジャン、テンメンジャンなどを合わせたタレに牛肉の細切りを混ぜ、卵の黄身をかける▼
肉の卸間屋は生食用は流通していないとい。厚労省の衛生基準では、生食用の表示がなくても細菌が付着ずる恐れがある肉の表面を削り取れば生食として出すことができる。焼肉店の判断に任され、事実上野放しだった▼
「焼肉酒家えびす」を運営する「フーズ・フォーラス」(金沢市)は北陸3県と神奈川県に20店舗。2010年3月期の売上高は18億円と、急成長の会社だ。価格一点張りでの安価商法だと指摘される。ユッケは280円と、命にかかわる安さだ。(5月6日)