コラム「凡言録」より6月14日
民間人死者最多
アフガン南部のヘルマンド州で5月末、NATO軍の主導する国際治安支援部隊(ISAF)の誤爆で14人の民間人が死亡した。アフガンのカルザイ大統領は米国に空爆を停止するよう求め、関係がギクシャクした▼
米オバマ大統領はカルザイ大統領と電話で会談し、誤爆で民間人の死亡が相次いでいることに遺憾の意を表した。両大統領は民間人の犠牲の大多数は「タリバーンに責任がある」が、民間人の犠牲によって軍事作戦の意義が損なわれるという認識で一致した▼
国連アフガン支援団(UNAMA)の発表によると、今年5月に戦闘に巻き込まれて死亡した民間人は368人、負傷者は593人。死亡者はUNAMAが記録をとり始めた07年以来、もっとも多い▼
反政府武装勢力の活動による死者は301人(82l)、政府側部隊の活動による死者は45人(12l)。空爆による死者は全体の3欲だった。死因では、路上などに仕掛けられた簡易爆発装置(IED)によるものが119人で、武装勢力による死者の4割を占める。(6月14日)