コラム「凡言録」より6月16日

  原発再開ノー


旧ソ連チェルノブイリ原発事故後の87年、国民投票で原発全廃を決定しているイタリアで、原発再開の是非を問う国民投票が実施された▼

原発復活へ方針転換したベルルスコー二首相は国民投票の不成立を狙って、5月に急きょ原発凍結法を制定し、国民投票は必要なくなったと主張。国民投票への関心が高まらないように腐心した。国民投票は投票率が50lを超えなければ成立しない▼

ところが最高裁は「原発を断念したとは言えない」と政府の主張を退け、国民投票を実施すべきとの判断を示した。そこで政府は原発
凍結法の「科学的見解が得られるまで」という条件を削除することへの賛否を国民投票にかけた。投票が50lを超えて成立が確実になったとき、ベルルスコーニ首相は「原発にさよならを言わなければならない」と早々に敗北を宣言した▼
投票率は54・7l、原発復活反対は有効投票の94・05lだった。ローマ市で投票した人は「フクシマを見て投票を決めた」と語る。福島原発事故は明らかに国民投票に影響を与えた。(6月16日)


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