コラム「凡言録」より6月2日
独が原発廃炉へ
福島第一原発の事故を受け、世界で原発見直しの動きが広がっている。ドイツ・メルケル政権の連立与党であるキリスト教民主同盟(CDU)、キリスト教社会同盟(CSU)、自由民主党は、2022年までに同国の原発を全面的に廃止することで合意した▼
合意では原発17基のうち、福島原発事故後の安全点検で3ヵ月間の稼働停止となった旧式原発7基と、故障で停止している1基は廃止とする。残りの9基は原則として21年までに稼働停止するが、再生可能エネルギーへの転換が進まず電力不足が生じたときは、3基については22年まで1年間の稼働延長を認める▼
メルケル首相は記者会見で、「エネルギー政策の抜本的な見直しで、ドイツは他の国々の模範となる」「輸出、開発、技術、雇用など、あらゆる機会で再生可能エネルギーへの転換を達成した最初の主要な工業国になることができる」とのべた▼
ドイツでは28日、ベルリン、ミュンヘンなど21の都市で全ての原発の廃炉を求めるデモが行われ、16万人以上が参加した。(6月2目)