コラム「凡言録」より6月20日
「原発再稼働」
東電福島第一原発事故から100日。いまだ事故収束の見通しが立たないのに、海江田経産相は定期点検中の原発22基の運転再開を認めるよう地元自治体に要請すると発表した。原子力安全・保安院が電力各社に指不した緊急安全対策が適切に実施されているというのだ▼
保安院は3月末に緊急安全対策を指示。6月7日に国際原子力機関(IAEA)に提出した報告書を踏まえ、追加の安全対策を指示した。それから2日間の立ち入り検査を含め、わずか11日間で安全対策を確認したというスピードぶり。「電力不足」という電力側の言い分に沿った▼
IAEAへの報告書が明らかにした28項目の教訓に照らしても、「過酷事故対策が適切に実施されている」なんて言えない。政府が「短期対策」として示した「電源車の配置」や「浸水対策」がとられただけ。「中長期対策」であげた「防潮堤、防潮壁の整備」などは数年もかかる▼
菅首相も海江田経産相と一まったく同じ」で、「いま全ての原発を運転中止するとは言っ
ていない」と。(6月20日)