コラム「凡言録」より6月22日
辺野古V字型
日米両国政府の外務・防衛担当閣僚会合(2+2)は米軍普天間基地移設のため、名護市辺野古にV字型滑走路を持つ新基地をつくることで合意した。V字滑走路は自公政権時代の07年5月の2+2で合意したもの。政権交代した民主党の鳩山政権が「県外移設」を持ち出して迷走した▼
昨年5月、鳩山首相が掲げた「県外移設一が挫折し、自公の辺野古案に戻った。8月の日米合意で滑走路のV字案、1字案を併記。今回の2工2でV字案に決定した。なぜV字型か、今回の共同文書に理由は書かれていないが、V字型は米国の要求に沿う▼
辺野古V字型は実現性があるのか。沖縄県民の反対運動、海面埋め立ての許可権限を持つ仲井真知事の「県外」への抵抗、菅政権の弱体化、米国の財政難などがあげられる▼
辺野古V字型で移設が進まなければ普天間に固定化するぞ。そんな沖縄への「脅し」が指摘される。明日は沖縄慰霊の日。沖縄全戦没者追悼式に出席する菅首相は、普天間基地問題にたいする政府の方針を何と説明するのか。(6月22日)