コラム「凡言録」より6月27日

シーベルト


福島原発事故が起きてから、新聞やテレビなどで一日に何回もシーベルトさんにお目にかかる。マイクロとかミリの冠をかぶっておられる。ロルフ・シーベルトさんはスウェ
ーデンの物理学者で、放射線防護に功績のあった人だ▼


放射線研究の歴史は1895年に、レントゲンがX線を発見したことに始まる。翌年、フランスの学者アンリ・ベクレルがウラン鉱石から放射線が出ていることを発見。1898年にはピェールとマリーのキュリー夫妻がウラン以外にも放射線を出す新しい物質ポロニウムとラジウムを発見した▼


シーベルトが放射線研究に入ったのは1920年代。放射線の害の深刻さが知られだした頃だ。放射線は治療に使われ、がんを劇的に破壊したが、正常な人体にがんをつくることも分かった▼


放射線防護の国際基準づくりが始められ、1950年、国際放射線防護委員会(ICRP)が活動を始めた。シーベルトは56年、委員長に選ばれた。77年にはシーベルトの名が人体への放射線被曝量を計る単位に採用された。(6月27目)


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