コラム「凡言録」より6月9日
「首相中退組」
8日の朝日「声」欄に、静岡県沼津市の原田卓也さんの「『首相中退組』の菅おろしに嫌気」という投書が載った。「首相中退組」とは傑作だ。記事に吸い寄せられた▼
一首相が任期を全うせず手前勝手に辞任するのは、事情はあろうが恥ずべき責任の放棄であり---だいたい『前首相』と報道されるのもおかしい。大学だって途中で辞すれば『中退』である。『首相中退』の鳩山氏が後任を押しっけた菅直人首相に今度は辞任を迫ると
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首相を任期途中で辞任したのは、遠くは病気辞任の石橋湛山など。最近の安倍晋三、福田康夫、鳩山由紀夫の3氏は、まさに投げ出し辞任で、「前首相」の重さは塵ほどもない。なかでも鳩山氏は「政界を引退する」と表明し、4ヵ月後には「議員を続ける方向に気持ちが傾いている」と居直った。民主党代表選では金権小沢氏を支持し、菅降ろしで“活躍”した。鼻持ちならない▼
安倍氏にも言いたい。憲法改悪に執念を燃やし蠢動しているが、敗残の亡霊は醜悪だ。速やかに国会を去るべし。(6月9日)