コラム「凡言録」より7月12日
ストレステスト
政府は全国の原発を対象に、新たにストレステスト(耐性試験)を行うと発表した。「安全宣言」して再稼働を地元自治体に要請した後に菅首相がストレステストの実施を指示したから、混乱が生じている▼
政府はストレステストと、停止中の原発の再稼働について統一見解を出した。原発の安全性は確保されているが、疑問を呈する声も多く、国民・住民に十分な理解が得られているとは言い難いと。その解決方法として「ストレステストを参考に、新たな手続き、ルールを定める」というのだ▼
具体的には、原子力安全・保安院の提案と原子力安全委員会の確認のもとで定める「評価項目・評価実施計画」にもとづき電力会社な
どの事業者が評価を実施。評価の結果は保安院と安全委員会が妥当性を確認する▼
こんなやり方で安全性は確認できない。「安全神話」に漬かって、機能を果たさなかった保安院や安全委員会に任せるのでなく政府が直援責任を持って実施すべきだ。儀式的なテストは「安全宣言」の偽りの上塗りだ。(7月12日)