コラム「凡言録」より7月16日
首相の「私見」
菅首相が首相官邸で記者会見し、「脱原発」社会をめざす考えを表明した。原発に依存しない社会をめざすべきだと考えるに至った。計画的、段階的に原発依存度を下げ、将来は原発がなくてもきちんとやっていける社会を実現していく」と▼
しかし、実現のための政治的プロセスや原発
削滅の数値目標、原発のない社会を実現する時間的見通しは具体的に示さなかった。「大きな事故を経験し、それを踏まえて原子力政策の見直を提起するのは、その時代の総理の責務だ」と、国民に方向性を示した点は評価できる▼
枝野官房長官は「今すぐ具体的にどうこうしようとする次元ではない。政府の統一見解というよりも、そういったことを視野に入れた議論をすすめていこうということだ」と。閣僚からも異論が噴出。首相は国会答弁で「個人の考えだ」と認めた▼
記者会見を開いておいて個人の考え」とは恐れ入る。今後、首相の発言は内閣の考えか、個人の考えかと、いちいち確かめなければならない。無責任も甚だしい。(7月16日)