コラム「凡言録」より7月20日
なでしこの大輪
秋の七草のひとつ、ナデシコが夏に大輪を咲かせた。サッカー女子W杯ドイツ大会で、日本のなでしこジャパンが世界ランク1位の米国を破り、初優勝した。朝早く起きてテレビをつけたら、2対2からPK戦の末3対1で破った。GKの海堀選手が横飛びになり、伸ばした足で球をくい止める様を観た▼
決勝戦で日本は後半24分に先制されたが、同36分に宮間選手が同点ゴール。延長前半14分に勝ち越された後も、後半12分に沢選手が決め、追いついた。焦りも見せず、すごい粘りだ▼
なでしこジャパンは沢、大野を除いて多くがアマ選手だ。昼間働いてタ方から練習するという。なでしこリーグの選手約230人のうち、サッカーだけで生活できる「プロ」は1割程度で、男子と違う。環境に恵まれている選手は稀だ▼
日本サッカー協会の小倉純二会長はドイツ大会から帰国しW杯女子優勝ボーナスを現行1人150万円から増額する意向を表明した。男子がW杯で優勝すると1人5千万円で女子はその3l。差別は優勝で破られる。(7月20日)