コラム「凡言録」より7月22日

パリの「反原発」

パリで長く暮らす日本人の芸術家らが4月に、「パリ反原発の会」をつくった。福島原発の事故を契機に、運動を始めたという▼

フランスといえば原発大国。そこで暮らしていて、遠い祖国で広がる放射性物質の被害に胸を痛めた。パリで開かれた脱原発を求める集会などに参加し、日本語とフランス語で「脱原発とエネルギー政策の見直し」を求める署名を呼びかけてきた▼

「朝日」に載った写真をみると、「反原発」と墨痕鮮やかな幟を掲げて署名を訴えている。菅首相に宛てた約2000の署名を19日、パリの日本大使館に提出した。日本が再生可能エネルギー開発の先駆者になるよう促ているという▼

会発起人の一人で、書家の安本年子さん(66)はフランス暮りし40余年。「暮らしが便利だからといって幸せなわけではない。次の世代に廃棄物を残す生き方は正しくない」と。ハーブ奏者の東海林悦子さん(42)は、「生きるために何が一番大切か。自分の暮らしを見つめる機会でもあった」と、署名活動について語った。(7月22日)


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