コラム「凡言録」より7月24日
ソニーの首切り
東日本大震災の被災地では仕事を失った人、倒産の危機に追い込まれた中小企業など深刻な事態だ。どこでも「がんばろう」「つながろう」の合言葉で歯を食いしばり、復興に努力している▼
そんななかで大企業ソニーの仙台工場(宮城県多賀城市)は震災被害を口実に事業縮小し、正社員280人を県外に配転、期間社員150人全員を解雇しようとしている。同工場の浸水被害は保険金でほぼ全額支かなわれることが明らかになっている▼
ソニーの中鉢良治副会長は政府の復興構想会議委員を務める。何を考えているのか。日本日本共産党の山下芳生参院議員は予算委員会で菅首相をただした。「中鉢副会長はあなたが選んだ復興構想会議の委員だ。放っておいていいのか」。野党席からは復興委員を雇い止めにしろ」と野次も飛んだ▼
山下議員は「雇用を守ることは地域の絆を守ること」と復興の基本を示した。菅首相は震災を理由とすれば、解雇は無条件に認められるものではない」とのべ、「事情を関係者に聞く」と表明した。(7月24日)