コラム「凡言録」より7月28日

甲状腺検査

七夕の短冊に、「しょう来、がんになりませんように」と書いた小学2年生の女の子がいた。小さな子どもを持つ母親の心配は大変なものだ。小さな子のいる家庭では遠くに避難し、帰ってこない▼

チェルノブイリ原発事故では大気中に放出された放射性ヨウ素が甲状腺という臓器に取り込まれて、多くの人が甲状腺がんにかかった。甲状腺はホルモンをつくるためにヨウ素を
必要とするから、選択的に取り込まれやすい▼

放射線防護学の安斎育郎さんは、放射線に被曝することは「がんになる当たりくじを買わされたようなもの」という。放射線の影響は大人より子どもが大きい。甲状腺の目方が小さい子どものほうが、臓器1cあたり吸収される放射線量が多いからだ(『福島原発事故』)▼

福島県は全県民を対象に健康管理調査を実施する。とく18歳以下の子ども36万人にたいし、10月から超音波(エコー)による甲状腺検査をおこなう。その後も20歳未満は2年に1回、20歳に達してからは5年ごとに生涯にわたって継続調査ずる。(7月28日)


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