コラム「凡言録」より7月9日
「やらせ」認める
衆院予算委員会で、共産党の笠井議員が九電の「やらせ」メール問題を取り上げた。九電が関運会社の社員らに、玄海原発再開を支持する電子メールを投稿するよう指示していたことを、九電関運会社の要請文書も示して追及した。菅首相は「大変けしからんこと」とのべた▼
国会質問のあと、マスコミが九電に殺到。真部利応社長は記者会見で、九電3事業所と関運会社の社員に、経産省主催の「説明番組」の放送時間中に投稿するよう求めたことを認めた。「説明会の信頼を損なうことになった。心からお詫びしたい」と謝罪した▼
指示メールは2300人以上に送られている。玄海町の岸本町長は政府の突然の「ストレステスト(安全性評価)」実施表明や九電「やらせ」メール問題で不信を表明。玄海源発の運転再開同意を撤回する、と九電に伝えた▼
福島原発の事故後、定期検査などで停止している原発の再稼働は、地元自治体の同意が得りれず、困難だ。玄海原発再開は全国の突破口と期待されたが、「やらせ」で吹っ飛んだ。(7月9日)