コラム「凡言録」より8月2日
債務上限法
米国では連邦政府が借りられる債務の上限は1917年成立の第二自由公債法で議会が決めることになっている。上限額はこれまで74回引き上げられ、01年以降では10回変更された。昨年の中間選挙で野党が下院で多数となり、上限引きが激しくなった▼
現在上限額は14・29兆j(約1130兆円)だが、すでに5月に上限に達した。8月2日までに上限を引き上げないと、米国は新たな借入ができなくなり、米国債の利払いなどの資金が不足する。米国史上初めてのデフォルト(債務不履行)になれば米国債の信用は著しく低下する▼
オバマ政権と野党・土箱党の協議はいったん決裂したが、7月末にようやくデフォルトを回避することでA暑岬した。2兆5000億jの歳出削減を行う一方で、法定上限を2段階で2兆1OOO億j引き上げる▼
米国の債務が増大した要因は巨額の戦費、ブッシュ前大統領時代から続く富裕層減税が要因だ。デフォルトは回避したが、財政赤字削減策はこれから検討される。(8月2日)