コラム「凡言録」より9月10日
フクシマの英雄
福島原発は地震と津波で原子炉と使用済み核燃料の冷却機能が喪失した。原子炉建屋のベント(蒸気放出)作業も間に合わず1・3号機で水素爆発、2号機でも爆発音して大量の放射性物質が放出された▼
炉心溶融を防ごうと消防隊が懸命に注水。汚染水が建屋内に溜まり、海に流れた。高い放射線量、高濃度の汚染水のなかで、労働者は懸命に収束作業を行った。国は労働者の被曝線量の上限を100_シーベルトから250_シーベルトに引き上げた▼
6月には250_シーベルトを超える被曝をしたのは6人で、最高は678_シーベルトだった。東電の収東工程表に被曝対策が盛り込まれたのは6月17日だ。現場作業員の多くは「協力企業の労働者で報酬も低い▼
スペインのアストゥリアス皇太子基金は福島原発事故の現場で献身的な働きをした東電や下請け労働者、消防、自衛隊員ら「フクシマの英雄たち」に「共存共栄」賞を授与すると発表した。「自分の命を犠牲にしてでも原発の惨禍を避けようと闘った」と評価した。(9月10目)