コラム「凡言録」より9月12日

 児戯にも劣る

鉢呂経産相は福島原発視察から防災服のまま赤坂衆院議員宿舎に帰宅した。取材で囲んだ記者の一人に「放射能をつけじゃうぞ」と、服の袖をなすりつけるような仕草をしたという。さきに原発周辺を「死の町」と発言しており、責任を取って大臣を辞任した▼

児戯に類するというが、放射能の危険を知る福島の子どもは放射能遊びはしない。鉢呂氏の発言は児戯にも劣る。野田首相の「適材適所」人事で経産相に就いたが、9日間で辞任だ。野田首相の「適材適所」もいい加減なものだ▼

「死の町」は記者会見での発言だった。正確には「残念ながら原発周辺市町村の市街地は人っこ一人いない死の町だった」と。町に人がいないのは警戒区域に指定されて、住民は追い出されたからだ▼

細野原発担当相は先月下旬、原発の地元自治体との協議会で試算を示した。年間積算放射線量が100_シーベルトの地域は、除染しなければ避難住民の帰宅までに10年200_シーベルトだと20年以上かかると。そうなれば、まさに死の町になる。(9月12日)


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