コラム「凡言録」より9月13日
黒塗りの手順書
東電福島第一原発事散発生時の運転操作手順書が2日、衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会(川内博史委員長)に開示された。東電が作成し、経産省原子力安全・保安院が提出した。運転操作手順書は事故原因を解明するうえで不可欠のものだ▼
開示された12nの手順書は原子炉を緊急停止した後の圧力調整や格納容器の冷却、原子炉の冷却装置の使用などについての操作内容が書かれている。そのほとんどが黒塗りで、読み取れるのは十数行だった。しかも過酷事故時の手順書は含まれていない▼
委員会の再度の要求で過酷事故時の手順書が12日に提出されたが、50行のうち48行が黒塗りで、読めた単語は「消火系」「不活性ガス」だけで東電は開示しない理由を「手順書は社内文書で、知的財産、核物質防護上の面もある」と。黒塗りの手順書は閲覧後に回収された▼
委員会では原子炉等規制法など法に基づく書類提出を求めることを決定した。東電は原発事故について慇懃な謝罪を繰り返すが、本心とは受け取れない。(9月13日)