コラム「凡言録」より9月23日
日進市の花火
愛知県日進市の花火大会の今年のテーマは東日本大震災の「復興支援で、日進市に転居した被災者特別席に招待した。福島県川俣町の花火業者が製造した花火80発に「がんばっぺ!福島」と名付け、打ち上げ予定だったが、中止された▼
花火の産地名は東北3県の業者名をチラシに入れて公表した。「汚染された花火を使うな」などの抗議が約20件あり、実行委員会は福島の花火打ち上げを中止した。萩野幸三・日進市長は市民の安全を守る立場から、実行委の判断を受け入れた▼
中止を知った市民から「なぜ中止したのか」などの意見が5百件以上寄せられた。市長は川俣町を訪れ、古川道郎町長に謝罪した。「がんばれと声上げ花火着火せず」(仙台市・猪又義記さん=朝日川柳)▼
朝日「声」欄に郡山市の医師の投書が載った。「福島県で製造された花火を打ち上げても被曝の点から1OOl危険性はない…製造工場の空間線量は低く、花火に線量計をあてても意味があるとは思えない…これ以上、福島県民を傷つけないで」。(9月23日)