コラム「凡言録」より9月25日

 原発推進の表明

野田首相は国運本部で開かれた原子力安全に関する首脳会議で演説した。まず福島原発事故について「原子炉の冷温停止状態を予定を早めて年内に達成すべく全力をあげる」と表明した。原子炉内部の状態は誰も正確に確認できていないのに、大丈夫か▼

さらに首相は「日本は原子力発電の安全性を世界最高水準に高める」と国際公約をした。最高水準とはどういうことか。放射能を制御する技術を人間が持たない以上、絶対安全はない筈だ▼

「日本は原子力利用を模索する国々の関心にこたえる」とは、諸国への原発輸出を念頭においた発言だ。世界最高水準だの、模索する国々だの、は原発推進の表明に他ならない▼

野田首相は国連へ出発する前、米紙ウオール・ストリート・ジャーナルのインタビューに応じた。運転停止中の原発について、「来年の春以降夏に向けて、再稼働できるものは再稼働していかなければならない」と、所信表明では触れなかった再稼働の時期を明言した。原発廃止を顧う国民と真っ向対決する気か。(9月25日)


コラム9月26日へ進む。

コラムトップへ戻る


携帯対応−震災報告トップへ進む


携帯対応草木庵トップへ戻る