コラム「凡言録」より9月4日
浜風商店街
津波と地震後に発生した火災で、いわき市久之浜町の中心商店街は壊滅した。しばらくして津波と火災を免れた数軒が細々と店を開けたが、車で隣町のスーパーに買い物に行く住民が多かった。車のない人は買い物難民となっていた▼
商店街は久之浜第一小学校の校庭に建てられたプレハブ2棟。飲食店、鮮魚店、理容店、酒店、青果店、家電販売店、駄菓子店、履物店など9店舗が並んだ。復興情報館もあり、津波で被災した街の生々しい写真が320枚展示された▼
商店街は「浜風商店街」と名付けられた。久之浜町商工会の熊木寿夫会長は「海から良い風を引き込み、浜ともに生きようという思いが込められている」と語る。台風12号の雨のなか、約1000人が訪れた。地元の常連客と商店主の会話…から笑いがこぼれ、活気が戻ってきた▼
「浜風商店街」は国が仮設の建物を貸し出す出小企業基盤整備機構の制度を活用した。商店街オープンセレモニーで、商工会に義援金20万円を届けた日本共産党が協賛団体として紹介された。(9月4日)