コラム「凡言録」より9月7日

 原発と倫理問題

「朝日」のオピニオンページ「私の視点」欄に、ベルリン自由大のミランダ・シュラーズ教授と北海道大の吉田文和教授連名の意見が載った。「原子力発電をやめるべきか」を考えるさい、「なぜ(理由)」を深く論議することが必要だという▼

ドイツでは首相が設置した「より安全なエネルギー供給に関する倫理委員会」で「なぜ」を徹底論議。「2022年までに原発全廃」を決めたという。倫理とは道徳、モラルのこと。原発がなぜ倫理委員会なの、と引き込まれた▼

倫理委員会の論議の要点は、原発事故は起こりうる。事故になれば他のどんなエネルギー源より危険だ。次世代に放射性廃棄物処理などを残すのは倫理的問題がある。ここまで読んで、原発と倫理が結びついた▼

ここで日本が学ぶべきことは、地震国での原発のコストとリスク、事故被害の大きさ、将来世代への責任などについて、他の発電手段どの比較評価をおこなうことだと。その上で何を選ぶかは、社会の倫理的価値判断に基づいて決めるべきことだという。(9月7日)


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